1972-03-07 第68回国会 衆議院 公害対策並びに環境保全特別委員会 第3号
○小林参考人 先ほど申し上げましたように、金属のトン当たりの値段が非常に変化があります。どこかで戦争があれば金属が非常に暴騰しますし、また戦争が済めば暴落します。ですから経済的に掘れるか掘れないかということ自体がずいぶん問題があるのじゃないかと思います。それから同じように掘りましても公害が非常に出やすい場所と、わりに出ない鉱山とがございます。概して言いますと東日本のほうが公害が出やすい、西日本のほうが
○小林参考人 先ほど申し上げましたように、金属のトン当たりの値段が非常に変化があります。どこかで戦争があれば金属が非常に暴騰しますし、また戦争が済めば暴落します。ですから経済的に掘れるか掘れないかということ自体がずいぶん問題があるのじゃないかと思います。それから同じように掘りましても公害が非常に出やすい場所と、わりに出ない鉱山とがございます。概して言いますと東日本のほうが公害が出やすい、西日本のほうが
○小林参考人 まず私からお答え申し上げます。 実は先ほどの砒素の鉱山ですが、サンプルをまだ分析中でございます。はっきりしたことはわかりませんが、相当たくさんあると思われます金属は、砒素のほかに亜鉛、鉛、カドミウム、銅、すず、こういったものが、いまスペクトルによって金属を検出するわけですが、そのほうから出ております。 それから先ほどお目にかけました写真のヘビノネゴザ、あの中にも、そういった金属が非常
○小林参考人 岡山大学の小林でございます。 鉱山が操業します場合に、煙とかあるいは廃水に対しまする対策を十分に立てておきませんと、それが周囲の土地を汚染したりあるいは公害病を発生しますと、その償いがいかに大きいかということは最近はっきり御承知のとおりでございます。ところが、きょう問題になっております休廃止鉱山の問題、これは私も長年、昭和十六年、つまり戦争前から農林省におりまして、いろいろの鉱山の公害地
○小林参考人 私は実は昨年のしまいごろ、登子さんのおかあさんから、実はうちの墓地を掘るという話が出ているんだけれども、ほんとうにあなたが分析してくださるんでしょうか、それともうそなんでしょうかといって問い合わせがありました。それで実は私ちょうどそのとき留守でして、助教授の森井ふじさんという女の人ですが、その方が、いや、私のほうで分析いたしますということをお返事したことがありますのと、それからことしの
○小林参考人 実は色の問題について御質問なんですが、実際腐っておれば色は黒くなります。大体内臓が腐りますと、もうべとべとになりまして黒くなっちゃいます。久保田先生は、切り口はたしか赤味を帯びていた、しかし表面は紫色に見えたとおっしゃっているのじゃないかと思うのですが、とにかく私どもわりあいに色彩については科学的に測定したわけではなくて、紫色といっても赤紫の場合もありますし、どうして色彩についてそうなったか
○小林参考人 私、岡山大学の小林でございます。 この前の私が分析いたしました安中の中村登子さんの分析のことにつきまして、私に意見を述べるようにというお話でしたので、ただいまその私の見解を述べさせていただきます。 まず、中村登子さんというのは、御承知のとおり二十八歳の女性でありまして、そしてお墓は製錬所から大体一キロぐらい離れました農地の中にあります小高いところにあったようです。その墓地に、二メートル
○小林参考人 ただいま、第三条の汚染地域をきめるきめ方が根本的にこれでよろしいかという御質問がございましたが、私もまことにごもっともである、こう考えます。と申しますのは、お米の一PPMというものは、これは絶対に安全な基準であるかどうかということにまず疑問がございます。厚生省があのお米の一PPM、白米でいえば〇・九PPMをことし七月に安全な基準としておきめになっております。ところがその安全な基準のきめ
○小林参考人 ただいまお尋ねのございましたこの土壌汚染防止などに関する法律案という内容が、これで十分所期の目的を達するに適したものであるかどうかという御質問でございますが、実は私不勉強でございまして、ここへ参りましてただいまこれをちょうだいしまして、ちょっといままで十分勉強しておりませんでしたので、そのことにすぐお答えいたしかねるのでございます。けれども、先ほど申しましたように、とにかくまだ厚生省でもお
○小林参考人 ただいま御紹介を受けました岡山大学の小林でございます。 この大気汚染と水質の汚濁、これにつきましてはすでに規制されるPPMというようなものがカドミウムその他の金属類についてきめられております。しかしながら、まだ土壌については何にも、汚染がどのくらい以上であってはいけないというような規制が全然行なわれておりません。ところが、実際に、私どもこの汚染地区の住民の体内に入ってまいります重金属
○参考人(小林純君) 先ほどのお米の問題はお話し申し上げましたとおりでございまして、例の図の十というのが、あれが〇・九PPMをきめる絶対的な基礎となっておりまするが、あの図は相当科学的に問題があるのじゃないか、こら考えております。あるいは尿の中のカドミウムの分析そのものについてもあるいは問題があるかもわからないと思いまして、大体厚生省さんのほうが尿のカドミウムが低い値が出ております。私のほうが商い値
○参考人(小林純君) 去年の岩波書店から「科学」というような雑誌が出ておりますが、その雑誌の六月、七月、八月で「イタイイタイ病の原因の追究」という題で三回連載しております。それをごらんいただきますと、カドミウムを単独、ネズミに与えました場合よりは、カドミウムのほかに亜鉛や鉛を加えたほうが相乗的な効果があらわれましてネズミの骨がよく溶ける。つまり骨軟化症になりやすいということを図をもって示してございます
○参考人(小林純君) ただいま、厚生省が以前は〇・四PPMをもって暫定的な基準としておられましたが、最近急にそれを基準を引き上げられまして、白米は〇・九PPM、玄米は一PPMというふうにお引き上げになったわけでございます。 私は、実はこちらへ参りますまで、そのどういう根拠によってそういうふうになさったかということを知らなかったのでありますが、けさほどこの厚生省がお出しになっております印刷物を拝見いたしまして
○小林参考人 私から御返事申し上げます。 先ほどの千名というお話は、萩野先生からお答えのありましたように、結局じん臓をおかされて、たん白尿が出ている。そういう人があの地区に非常に多い。イタイイタイ病の発生地区に非常に多かった。そういう意味で千名ほどの人が、よその地区にはそれほど多くないのにたん白尿が出ていた。そういう意味でこれを潜在患者、予備軍というような意味で何かおっしゃったように思います。
○小林参考人 最近の自動車のふえ方に従いまして、特に都会地におきましては、日本人の人体の中に鉛が急速に蓄積されつつあるのではないか、そういう心配が生じております。私はずっと前から、カドミウムや亜鉛、そういったものだけでなくて、ニッケル、鉛、いろいろな重金属の分析を手がけてきたのでありまして、特に人体のいろいろな内臓とか骨とか分析しておるのであります。鉛は、すでに一部の方は御承知と思いますが、肝臓とかじん
○小林参考人 私は岡山大学の小林でございます。黒部川の公害についてお話ししろということでございますが、実は私はこの月の下旬にそちらへ参りまして、汚染の実態調査をしたいと計画しておるわけでありまして、まだ私のほうでは調査をしてないのでございます。しかしながら、去年の六月に、あそこをたまたま通りました。と申しますのは、去年の六月に山形で日本陸水学会、海水に対しまして陸水、陸水学会というのがありまして、その
○参考人(小林純君) ただいま石崎先生から、ネズミと人間とでは違う、だからネズミではカドミウムは確かに体内にたまるけれども人間ではたまらないのじゃないかと、こういうお話があったのですが、ところが、人間のじん臓、肝臓というものを分析してみますと、非常にたくさんのカドミウムがたまっております。もう日本国じゅうだれにもたまっておりますし、生まれたときの赤ん坊には全然カドミウムはありませんが、五十歳、六十歳
○参考人(小林純君) 先ほど私が計算しましたように、神通川の水の中のカドミウムは厚生省の発表のように、あんな過大なものでないということになりますと、米からとったカドミウムのほうがはるかに大きいということで、ですからおもな原因は米であろうということを申しましたのと、それから現在安中あたりからカドミウムを含みました米を取り寄せましてネズミを飼っておりますのですが、そういったカドミウムを含んだ米からは動物体内
○参考人(小林純君) ただいま御紹介にあずかりました小林でございます。 水銀やカドミウム、こういった重金属によります公害病は、御承知のように、一たん発病いたしますと非常に悲惨な慢性病となりまして、治療がなかなか困難で、なおらない、こういうことです。ですから、有毒な重金属が知らず知らずの間に飲食物を通じまして徐々に体内に蓄積されてまいりまして発病に至るわけでありますから、したがいまして、重金属によります
○参考人(小林純君) これは、最初に厚生省の調査班の重松班長からお話がありましたように、現在の鉱山の坑内からどこかの排水路を通じましてカドミウムが流れ出しております。それは、量は非常にわずかではありますが、流れております。 それから、この調査班としまして、重松委員長外数名の方が、この神通川をさかのぼりまして、鉱山よりはるかに上流の、つまり高原川と申しますか、その川のはるかに上流から、鉱山の地帯、それからその
○参考人(小林純君) カドミウムが非常に有毒な金属であるということは、前から知られております。ある動物に対しましては水銀よりもむしろカドミウムのほうが猛毒であるというふうになっておりまして、人体の場合にどちらがより有毒であるということはちょっとわかりません。それからこのイタイイタイ病の場合には、これが慢性的な病気でありまして、そこに何十年と住んできた人たちに初めて発生しております。それから水俣病のような
○参考人(小林純君) 私は現在岡山大学につとめております。ところが、私は昭和九年に大学を出ましてからすぐ、農林省の農事試験場、現在農業技術研究所といわれております、そこへ入っておりまして終戦までおったのですが、特に昭和十六年から終戦までにかけましては、農林省の水質汚濁によりまする公害の専任の担当官としましてつとめてきたのであります。で、たまたま昭和十八年に、富山県知事から農林大臣あてに、神通川流域で